「ザ・サベージ」
2008.04.30 Wednesday | category:Award
JUGEMテーマ:映画
「アウェイ・フロム・ハー」で痴呆症の問題を取り上げましたが、この前予告したように、同じテーマを違った角度から取り上げた映画、「ザ・サベージ」を見たので、今日はこの作品について話します。”Away from her"の映画では、往年のジュリー・クリスティーがアカデミー主演女優賞にノミネートされていましたが、”The Savages"でも、主演のローラ・リニーが、同じく主演女優賞にノミネートされていました。でも、両者とも、"La Vie en Rose"のマリオン・コティヤールにはかないませんでした。
さて、このサベージ家の人たちの作品では、主役は認知症の老人ではなく、その子どもたちです。父親とは20年ほど行き来がなかったところ、突然の電話で、父親が一緒に住んでいたガールフレンドが突然死に、先方の子どもたちは、認知症の父親を放り出します。となれば、昔苦い経験のある父親でも、面倒を見ないわけには行きません。子どもたち自身も、中年にありがちな人生の危機を迎えている現状で、養護老人ホーム探しが始まります。
決して仲のよくなかった兄と妹が、ぶつかり合いながら、父親の世話を始めます。Laura Linneyはかなりヒステリックな役なので、始終大きい声で叫んでいる場面が多く、見終わったと同時に、主人は「やっと終わった。」とため息をついていました。アメリカ人の女性には決して珍しくない役どころですが、静かな日本人妻になれていると、かなり耳に響いたようです。
「君を想う」の作品と違って、夫婦愛ではなく、現実に数多くの年配の子供たちが直面している老人看護の問題や、認知賞そのものの残酷さなど、「ザ・サベージ」は、別の視点から、これからもどんどん増えていくであろうつらい現実を描いています。前回に引き続き、暗い話題になったので、次回は明るい目の映画をみて紹介したいと思います。
「アウェイ・フロム・ハー(君を想う)」
2008.04.22 Tuesday | category:Award
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アカデミー賞関連の作品がどんどんDVD になっています。今日は,Julie Christieが主演女優賞にノミネートされた映画、「アウェイ・フロム・ハー(君を想う)」を見ての感想を書きます。DVDは普通家で主人と二人で見るのですが、主人はこの映画を見ることを拒否しました。というのも、余りにも現実に起こりうる、つらく悲しい現実がテーマになっていることと、主人公のジュリー・クリスティの若かりしころの映画に感動した男性にとっては、彼女の今を見るのがつらいということ。
これは私の場合、逆にロバート・レッドフォードの今の映画を観るのがつらい気持ちと同じなので、よくわかります。そのテーマというのは、アルツハイマー、「痴呆症」です。最近の日本では、これが差別用語になるとして、「認知症」という言葉を使っているようですね。でも、この二つは、病気の進度によって分けられると思うんですけど。
ともかく、愛し合って長年人生を共にしてきた二人のうち一人がこの病気になり、その放浪癖のため、家庭ではなく施設に入らなければならなくなったときはもう最後です。これまで毎日顔を見、言葉をかけ、肌を触れ合ってきた人の姿すらわからなくなる。それでも相手を愛し続けることができるのか。本当の愛は代償を求めないものですが、反応がないだけでなく、相手の気持ちが他の人へ移っても尚変わらぬ愛を保つことができるかどうか。将来直面したくない出来事です。
私の両親も日本で次第に年老いて、体が弱くなってきていますが、どうかこの病気にだけはならないでほしいと願わずにいられません。日本でも最近、このテーマの映画がありましたよね。もう一つ同じテーマで違った視点から、アカデミー賞にノミネートされた映画で、”Savages"が近々DVDになるので、それを見たらまた報告します。
「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」
2008.04.16 Wednesday | category:Award
JUGEMテーマ:映画
オスカー情報です。と聞くと、えっ、アカデミーはこの間終わったところでしょう、となるのですが、これは早くも来年の話。というのは、アカデミー賞授賞式は普通、2月の最終日曜日に行われることになっていて、ノミネートの発表はその4週間前の火曜日というのが通常セットになっているんですね。その予定で行くと、来年2009年のアカデミー授賞式は、2月22日(日)で、ノミネートの発表は1月20日(火)になるわけですね。
しかしこの1月20日というのは、私の結婚記念日に当たるため、ノミネートの発表とかち合うわけにはいかず、というのはくだらない冗談で、実はこの日は、4年に1回ある天下のアメリカ大統領就任式なのです。そうなると、やはりオスカーも譲らないといけなくなり、来年は火曜日ではなく、2日遅れの1月22日(木)にノミネートの発表を行うように取り決めたらしいです。まあ、特に問題はないでしょう。
それでは今日の話題にいって、今年のアカデミー賞に多数の部門でノミネートされた、「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」がDVDになったので見ました。おしくも作品賞は逃しましたが、ダニエル・デイ・ルイスは、この映画で2回目の主演男優賞を獲得しました。値打ちのある受賞です。個人的には、「ノーカントリー」よりこちらの方が作品賞にふさわしいのではと思っています。
これは、1927年にUpton Sinclairが書いた小説、”OIL"を、Paul Andersonが大幅に脚色したもので、19世紀末期の銀の採掘時代に、たまたま石油を掘り当てたダニエル(たまたま俳優と同じ名前)が大成功し、次第に欲が出て、最後には道を踏み外すというもの。
このストーリーの中には、貧しい時代背景、新しいビジネス、家族関係、宗教、金銭欲など、いろんなテーマが盛り込まれていて、見ごたえがあります。ちょっと上映時間が長いのが難なので、余裕のあるときに見られるといいとおもいます。
「フリート街の悪魔の理髪師」と「魅せられて」
2008.04.09 Wednesday | category:Musical
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オスカー関連のミュージカルを二つ見ました。一つ目は、アカデミー賞主演男優賞に輝いた、ジョニー・デップの「スウィーニー・トッド:フリート街の悪魔の理髪師 ”Sweeney Todd"」。もう一つは、アカデミー賞オリジナルソング賞で、3つの曲がノミネートされた、エイミー・アダムスの「魅せられて ”Enchanted"」。
まずは、Jonny Deppの「スウィーニー・トッド」から。血しぶきあふれるミュージカルで、見ようかどうしようかと迷いましたが、殆どブラック&ホワイトの中に鮮血が現れるので、むしろ芸術的というか、あくまでも非現実的で、絵を見ている感じで、そんなに生々しいものではありませんでした。私は、同じ血なまぐさい映画では、アカデミー賞ベスト作品賞をとった、「ノーカントリー」より好きです。
どうしてかというと、「フリート街の悪魔の理髪師」には人間的な愛憎のドラマがあるからです。"No Country for Old Men"は、それこそ冷血非常の、ただの殺し合いで、あまり感じるものがありませんでした。個人的には、どうしてこの映画が最優秀作品賞に輝いたのかわかりません。それにひきかえ、”Sweeney Todd" にはドラマがあります。愛するものへの思いがあり、最後は特に悲しい結末が待っています。
ちょっと暗くなったので、今度は全く正反対のミュージカル映画「魅せられて」の話。この映画はディズニーの作品で、これも最初は、子供向けかなと思い、見ようかどうしようか迷いましたが、Amy Adamsがどうしてこの作品で、アカデミーにノミネートされなかったんだろうという、批評家がたくさんいたので、それなら見てみようと思いました。
”Enchanted"は、ディズニーアニメが突如、ニューヨークのタイムズスクウェアに舞い降りてくるという設定で、現実のブロードウェイ・ミュージカルの中枢に、おとぎの国が出現というのはおもしろいと思いました。エイミー・アダムスは確かに歌えます。そして仮想の世界の純真無垢なお姫様の役を実にかわいらしくこなしています。
「魅せられて」を見ると、とても気持ちが軽く暖かくなります。結婚○○年にもなると、忘れてしまった出会いのときめきを、ほんのわずかに思い出させてくれる映画です。ファミリー映画だけでなく、デート映画にもいいと思います。あのカーテンで作る色とりどりのドレスには、思わず微笑んでしまいます。
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