「カールじいさんの空飛ぶ家」はシニア向けに作られたアニメーション
2009.12.30 Wednesday | category:Animation
JUGEMテーマ:映画
アニメーションもついにシニア世代を狙って作られるようになったかと思う感のある映画、”UP"。映画の冒頭は主人公、カールじいさんの子供の頃の回想シーンで始まり、幼馴染のエリーと一緒に、冒険好きの二人が、南アメリカの奥地にあるパラダイス・フォールという場所に夢を馳せて、結婚後もずっとその夢を膨らませて仲良く暮らしていました。
でも現実はそう甘くなく、旅行資金にと貯金を始めてもすぐに日々の暮らしに消えていき、次第に年老いていきます。この辺は超現実的。そしてカールじいさんは、とうとう最愛のパートナー、エリーを失います。時代も進み、住まいの周りでは都市開発が行われ、カールじいさんの家だけが工事現場の最中に残っています。この辺もよくある話。
ある日些細なことから現場の人に怪我をさせてしまったカールじいさんは、老人ホームへの移転を迫られるわけですが、これまで頑固に守ってきた家をそう簡単に手放すはずはなく、無数の風船を家にくくりつけて、エリーと行きたかったパラダイス・フォール目指して空へと舞い上がっていくのです。でもくっついていたのは風船だけではありませんでした。
何とか老人を助けて勲章をもらいたい少年ラッセルが玄関にいたのです。ここから陳腐な組み合わせの二人が織り成す空飛ぶたびの冒険が始まるわけです。目的地まで来たときに立ちはだかる幾多の困難。話す犬の存在はちょっと見飽きた感もありますが、伝説の冒険家、チャールズ・マンツの声は、ベテラン俳優、クリストファー・プラマーが演じており、重厚感があります。
再開発の圧力にも屈せず、断固手放そうとしなかった、エリーとの思い出が一杯詰まった家でしたが、カールじいさんは、人としての道を考えたとき、一大決心をします。映画の途中では少しだれるものの、最後はやはりよく引き締まっていました。
年の暮れになると、大掃除をしますね。物を片付けながら、感傷に浸ってなかなか捨てられないものがたくさんあることに気が付きます。そんな時、この「カールじいさんの空飛ぶ家」を思い出すと、ちょっと気持ちが吹っ切れるかもわかりません。アカデミー賞、アニメ部門での受賞が期待される映画です。
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アメリカの料理人ジュリア・チャイルドとジュリアを丸ごと体験したジュリー・パウエルの料理ブログが同時進行
2009.12.20 Sunday | category:Based on true story
JUGEMテーマ:映画
ホリデーシーズンになると、パーティー用にちょっと気の利いたお料理を作るために、料理の本を眺める人も多いのではないでしょうか。”Julie & Julia"は、アメリカ人の年配の人なら知らない人がない、女性料理人の元祖、ジュリア・チャイルドがどのようにして料理の世界に入っていったのか、と同時に、ジュリアが初めて出版した本格的なフランス料理の本に載っていたレシピを、1年かけて片っ端から試していき、その体験談をブログに毎日載せたことで、出版社の目に留まり、本を出すことになったジュリー・パウエルという女性の、時代を超えたパッションを描いた映画です。「ジュリー&ジュリア」は、この前すでに発表のあった、ゴールデングローブ賞のミュージカル・コメディー部門の作品賞にノミネートされており、ジュリア・チャイルドを演じるメリル・ストリープは、同部門の主演女優賞にノミネートされています。一方2002年に受理あの料理体験記をブログを出したジュリー・パウエルは、「魔法にかけられて」のエイミー・アダムスが好演しています。この二人は、 「ダウト〜あるカトリック学校で〜」以来の共演です。
私はこの映画を観る前に、ほんの少しだけ、本物のジュリア・チャイルド が行っていたテレビのクッキングショーの録画を見たのですが、この映画を観始めたとき、女優Meryl Streepではなく、まさにジュリア・チャイルドがそこにいるように思いました。それだけメリルの声の使い方や話し方がジュリア・チャイルドにそっくりだったのです。さすがにノミネート最多を誇る女優さんだと感心しました。
役者稼業というのは、映画や舞台でまったく別人になりきれるんですね。いまさら言うまでもないことですが、メリル・ストリープも決してお料理上手のお母さんの家庭で育ったわけではないのです。小さいころ、マッシュ・ポテトというのは箱に入っているものだと思い込んでいた彼女が、ある日友人の家で、じゃが芋をゆでてつぶして調理しているのを見て、初めてその正体を知ったという裏話も披露していました。
私自身、料理ブログを出しているので、クッキングの本も100冊以上持っていますが、何せ浮気者なので、次から次へといろんなレシピを試すのが好きで、ジュリーのように一人の偉大な料理家に専念したことはありません。何につけてもひとつの道を究めるということはエネルギーの要ることで、頭が下がります。
「私の中のあなた」には勝者も敗者もなく、ただ愛情がある
2009.12.12 Saturday | category:Drama
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キャメロン・ディアス がシリアスなドラマに挑戦。”My Sister's Keeper"で、白血病の娘を助けるためには手段を選ばない母親役を熱演しています。医者の非公式な発案で、最適な骨髄提供者を得るために、新たに子供を人工授精で生むのです。
姉のケイトを助けるために生まれてきた娘役のアンナは、アビゲイル・ブレスリンが好演しています。幼いころから何度も骨髄液を摂取され、それでも病状が悪化していく姉を助ける最後の手段は腎臓移植しかなくなったとき、11歳になる妹のアンナは名前の売れている弁護士にお小遣いの全てを持って、移植を食い止めるために、母親のサラを訴える手段に出ます。
Cameron Diaz 演じる母サラは、もともと弁護士。娘の看病のために仕事をやめていますが、子供に訴えられたため、自らの弁護に当たります。始めは、骨肉の争いになるのかと思ってみていましたが、この訴訟劇の背後には、お互いを思いやる家族の深い愛情に根付いたものがあることに気づかされます。
「私の中のあなた」には勝者も敗者もありません。そこにあるのはただ愛情だけ。私事ですが、最近義理の親戚に、ほぼ完治が無理とされるがん患者が出て、定期的にお見舞いに行くのですが、精神的に応援する他は何も出来ない人間の無力さを改めて思い知らされており、そんなときに観たこの映画は心に響きました。
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