アメリカンスナイパーに見る人間ドラマ
2015.05.23 Saturday | category:Based on true story
JUGEMテーマ:映画
アメリカンスナイパーがDVDになったので観ました。
これで、今年度アカデミー賞ベスト作品にノミネートされた
映画の全てを観たことになります。
アメリカでは賛否両論、議論の的になった戦争映画ですが、
私には、観終わった後、「一体どこが問題なの?」と思えるほど、
決して戦争擁護を旗印に掲げているわけでもなく、
極めて人間的な視点から描かれていたと思います。
クリント・イーストウッド監督は、共和党大統領候補の応援演説を
するほど、保守派として名が通っていますが、この映画には、
クリス・カイルと同じように愛国心に燃えるも、戦場で無常に敵を
倒さなければならない数多くの兵士やその家族の悩める姿が
描かれていて、共感を覚えました。
今ではもう世界に知れ渡っている、ネイビーシールズ(アメリカ
海軍特殊部隊)の訓練を受けて狙撃兵となり、イラク戦争に従軍して
その正確な狙撃技術から、レジェンドと呼ばれるようになり、
家族の反対を押し切っても、イラクに4度も遠征して、敵の狙撃犯
エースを倒したクリス・カイル。
アメリカに戻ってからは、自らPTSD(心的外傷後ストレス障害)
に悩まされるも、持ち前の精神力で、もっと深く悩みを抱える帰還兵
たちの相談に乗っていたカイルでした。
そのカイルと同じ高校の出身で、家庭環境に恵まれず、親戚の家で育ち、
高校卒業後、海兵隊に入隊してイラクに従軍し、戦争の現場でやるせない
真実に直面し、精神を病んでいたエディー・ルイスがいました。
たまたまルイスの母親が勤務する小学校にカイルの子供たちが通っていた
ので、母は早速カイルに相談するのでした。快く相談相手になることを
承諾したカイルが友人とともに、気分転換にルイスを射撃に連れていくこと
にした日に、悲劇は起こったのでした。
アメリカンスナイパーの映画製作中に起こったこの悲劇。そのタイミングは
私たちに何かを教えようとする大きな力があったとしか思えません。
あれだけの過酷な戦場を生き抜いてきたルイスの、誠にあっけない、
そして納得のできない最期でした。
ほんのちょっとした物音にでも敏感に反応するPTSDの帰還兵たち。
最近でも、その兵士たちを観るベテラン専門の病院の体制に問題がある
ことが幾度も指摘されていますが、大きな改善はなされていないのが現状です。
このヒーローを演じたブラッドリー・クーパーは、ご存知甘いマスクの
2枚目で、これまではロマコメタイプが主流の役者でした。でもこの役では、
その鍛えた体を披露するとともに、戦場で子供までも殺さなければ味方が
やられるという状況下の中で、スプリットセカンドの判断を強いられるという、
心の葛藤を演じ、アカデミー賞主演男優賞にノミネートされました。
実に好演でした。
アメリカンスナイパーは、映画を観た後、様々な思いを巡らせる実のある映画です。
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